不眠症に悩まされる主人公がタクシードライバーとしての職を得るものの、ニューヨークの街に巣食う汚れた何かに不満を募らせていく。ミリタリーモヒカンサングラスモードになって静かにキレて、やぶれかぶれで暴れる話。

音楽よい。
社会人としてのコミュニケーション能力は低いが性と恋愛に関してはやけにアグレッシブなコミュ障に対する解像度が高い。社会的信頼を得て孤独ではなくなると、余裕が生まれ、明らかにその気持ち悪さは薄まった。

「タクシードライバー」はやっぱ面白い。

この危なっかしい感じが。

いい映画観ると毎回思っちゃうんだけど、この作品も、今の時代にこそ響くなーとか思ってしまった。

猪突猛進なところが怖いんだよなトラビス
最後の、ベツィからもう興味が薄れてるシーンは結構好きです

デ・ニーロが出てくるのも、結局スコセッシ公認だよっていうハンコとしての役割じゃないかとすら思ってしまったんだよな。
こんな傑作を「ジョーカー」なんかの40年以上前に作ったスコセッシとシュレイダーはやっぱすごい。

あんまり戦争のこと説明されないのにデニーロの演技で「あ、この人はなんかあったんだな」って随所でわかるからすげ~ってなった。

こういう正義感持った犯罪者リアルでもいるんだろな。
少し自分と重ねたり。
孤独は危ない。

正義の押し付け
最後は妄想か現実かどっちかなあ
音楽も洋服もおしゃれ〜

こう相談しても、相手が同じ条件だったり性格じゃないと聞いたこっち側もふーんみたいな気分になるのとか、
こう何か始めたくてとにかく危なっかしいこと想像したりとか、
やろうとしたけどやっぱりできなくて成り行きに任せてちゃんちゃんな感じ
めちゃくちゃ人間表しとる

社会や現状の自分、他者への不満を暴力的に解決していくのがトキシックマスキュリニティだなぁと思った。
ヒーローになったのはたまたまだし、助かったのもたまたま。
「なにかをやりたい」という願いだけが叶ったけど、あとはイニシアチブ握れてないのでは…？
当時のアメリカの雰囲気が分からないと、映画の良し悪しすらも分からないので、そういう映画は意味があるよなと思う。